医療現場のICT化を支えるフリーエンジニア

医療現場のICT化の現状として、厚生労働省令が発表した電子カルテシステム等の普及状況の推移によると、令和2年のデータで一般病院では57.2%となっている。また、規模が400床以上の病院では91.2%とかなり普及していることがわかる。規模が200床未満では、48.8%と約半数の病院で普及している。
平成20年のデータでは一般病院が14.2%、400床以上で38.8%、200床未満では8.9%とこの10数年でICT化が進んだ。技術の進化によって、今後ますます利便性が増していくことが予想できるだろう。

その一方で、電子カルテやオーダリングシステムを扱うのは現場の医者や看護師などの医療従事者であり、ICTの専門家ではない。新しい技術を取り入れてシステムを維持していくのは、簡単なことではないのだ。
しかし、医療現場では命が扱われており、そのシステムによって正確性や安全性、効率性が確保されていることも多い。そこで医療現場で活躍するのが、医療のフリーエンジニアだ。

病院によって院内にシステムエンジニアがいるケースもあるが、病院規模が小さくなればそのための人手と時間の確保が難しいのも実情だろう。その課題を解決できるのが、複数の医療現場で医療システムの設定や管理が可能なフリーエンジニアだ。
将来的に、オンライン診療などが活発になることも予想できる。そのため、ICT化を支えるエンジニアの中でも、複数の病院の現状を把握しているフリーエンジニアは貴重な存在となってくるだろう。